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高杉晋作の辞世の句

高杉晋作は幕末の志士として有名な人物で、奇兵隊を創設して倒幕運動に参加しました。彼は1867年に肺結核で27歳で亡くなりましたが、その前に自分の部屋に一枚の紙に辞世の句と呼ばれる短歌を書き残しました。 

辞世の句とは、人が死ぬ前に詠む漢詩や和歌や俳句などのことで、自分の人生を振り返ったり遺言や遺訓を残したりするものです。 

高杉晋作の辞世の句は以下のようなものです。

【おもしろき こともなき世を おもしろく
すみなすものは 心なりけり】

この短歌は、面白いこともない世の中を面白くするかどうかは自分の心次第だという意味です。   

高杉晋作は、自分が夢見た新しい日本を見ることができないまま死んでいくことに対する不満や悲しみを感じていたかもしれませんが、それでも自分は面白く生きたという自負や誇りを表現しています。 

また、この短歌には別の読み方もあります。それは、

**おもしろき 事もなき世に おもしろく**

というふうに「を」ではなく「に」という助詞を使うというものです。

この場合は、面白いこともない世の中だが、自分次第で面白く生きることができるという意味になります。

あるいは、面白く生きるにはどうしたらよいだろうかという不満や疑問を含んだ意味にもなります。

このように、助詞一つで意味合いが変わってくるのが短歌の奥深さでもあります。

さて、この辞世の句には実は下の句もあります。それは、

【すみなす者は 心なりけり】

というふうに「者」ではなく「もの」という言葉を使うというものです。 

しかし、この下の句は高杉晋作が詠んだものではありません。彼が亡くなる前に看病していた尼僧であり女性歌人でもあった野村望東尼(のむら もとに/ぼうとうに)が詠んだものです。  

野村望東尼は高杉晋作に恋心を抱いていたと言われていますが、彼女が詠んだ下の句は、

**心の持ち方次第で面白く生きることができるようになる**

という意味です。  

彼女は高杉晋作の辞世の句に対して、自分の気持ちや応援を込めて返したのでしょう。 

このように、高杉晋作の辞世の句は、彼の人生観や志を表したものであり、また彼に想いを寄せた女性歌人の短歌とも結びついたものです。   

高杉晋作は自分の夢を叶えることはできませんでしたが、その夢は彼の後に続く人々に受け継がれていきました。

彼の辞世の句は、自分の心で世界を変えることができるというメッセージを私たちに伝えてくれます。

: 高杉晋作 最後の言葉〜辞世の句 https://tactical-media.net/%e9%ab%98%e6%9d%89%e6%99%8b%e4%bd%9c-%e8%be%9e%e4%b8%96%e3%81%ae%e5%8f%a5/
: 高杉晋作の辞世の句・都々逸の意味4つ! 本当は言ってない? https://hatsumeihakken.com/takasugijisei/
: 高杉晋作の辞世の句《奇兵隊創設者》 https://www.last-song-of-life.com/entry8.html
: 高杉晋作の辞世の句が語る、未来に伝える大切な意味 https://www.shinsaku-takasugi.com/achievement/116